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連載 3エピソード
ベクストは奴隷剣闘士としてコロシアムに上がり、戦うことが仕事だった。 しかし、顔立ちは普通、戦い方も消極的な彼は客からの人気がイマイチだった。興行主のザンベッカもベクストのことを金を生まない穀潰しと評価した。 ザンベッカはベクストに死に華を咲かせてやろうと生存率が最も低い闘獣試合を組んだ。 だが、ベクストはこれを生き残り、さらに試合に使われた虎5匹のうち3匹を短刀で刺し殺した。 コロシアム中に大歓声が響き渡り、ベクストは一気に人気剣闘士となった。 味をしめたザンベッカは闘獣試合を組みまくり、ベクストも連戦連勝だった。 しかし、そんな運営が半年続いた時、最悪の事態が訪れた。 ネタ切れである。 虎、狼、熊、水牛、軽装の人間がギリギリ勝てなさそうな獣は出し尽くしてしまった。 20分ぐらいの会議で解決法が見つかった。 「そうだ、魔物と戦わせればいいんだ」 水牛に勝ったんだからミノタウロスぐらいいけるだろ。でもいきなりミノタウロスはもったいないから、最初は弱い魔物からだんだんと強くしていこう。 これまで以上に厳しい戦いになるが、ベクストは生き延びなければならない。 「いつか自由になる日のために……」 奴隷は金を稼ぎ、自分を買うことで自由になれる。 ベクストが自由になるために必要な金は残り139万オーツ、魔物を1匹殺せば4万オーツになる。 このペースだと、戦っている間に魔物の強さのインフレが進みそうである……
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写あり
最終更新日:2022年03月27日
オリジナル戦記 男主人公 西洋 中世 剣闘士 闘技場 読了時間:約12分(5,667文字)