月雲海人は高校生活を満喫していた。 海人は運動能力が高く、テストの点もいつも学年トップだった。 彼に出来ないことは無い。いわゆる天才だ。 ある雨の日、学校の帰り道の階段で足を滑らせてしまった海人は運悪く頭を強打し、帰らぬ人となった。 ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ アルデルカ王国の辺境の地にて、一人の男の子がいた。 後に彼は世界の英雄として讃えられることとなる。 これはそんな彼と、彼と旅する者達の人生を書き記した物語である。