王子殿下の十六歳を祝う夜会で、五人の婚約者候補の一人として発表された侯爵令嬢コレット。 学園で王子の同級生でもあるコレットは、公爵令嬢や宰相の娘という名だたる候補者よりも有力視されてしまっていた。早々に候補から脱落し、幼馴染で初恋の侯爵令息と婚約する約束を結んでいるというのに。 そして候補者発表から数日後、コレットが乗る馬車が襲われてしまい、コレットは腕に傷を負ってしまった。 傷物となったコレットは王子殿下の婚約者候補を辞退するとともに、幼馴染からも逃げるように修道院へ身を寄せた。 幼馴染が迎えに来ても帰ろうとしないコレット。素敵すぎる彼の横に傷物の自分が立つなんて、絶対に許せないのだ。 そんな中、殿下の婚約者選びにも動きがあり、コレットも否応なしに巻き込まれていく。 ※完結済みの長編とリンクした話ですが多分これだけでも読めると思います。

ある日、目が覚めたら、妖精のような美少女になっていた。 まさかの異世界転生！？ でも、出会ったのは推しのいるグループ――デビュー十五周年を迎えた四人組男性アイドルグループ”シャルモン”のメンバーに似ている兄、幼馴染、その友達。 こんなに幸せな世界は夢に違いない！と伯爵令嬢として日々を満喫していたら、推しに激似の王子様まで登場してきた。 リロイ王国唯一の王子殿下、ジョルジュ・リロイがその人である。 しかし、ジョルジュの二十歳を祝う夜会で”シャルモン”の衣装まで着ている王子様に内心で大興奮していたのだが――テラスから聞こえてきた独り言に耳を疑うわたし。 「もう、何だよ殿下って。俺そんなキャラじゃねえっての」 「しかも二十歳ってなんじゃそりゃ。俺、もう三十二なんだけど」 え？　三十二歳？　もしかして、本人ですか？ 顔は若いのに中身は三十二歳だし、いつもアイドルの衣装ばっかり着ているし、夢かと油断していたら日本人だとバレちゃうし、婚約破棄したから新しい婚約者になってと迫られるし。 兄からは重ための溺愛されてるし、幼馴染からは可愛がられてるし、その友達とも仲良くなっちゃうし。 おまけに、日本での名前を教えたら顔が変わって見えるって、それ何てファンタジー！？ 異世界で出会った推しと、もだもだしながら仲を深めていく物語です。 ラブコメのつもりで書いてます。後半はファンタジー要素多め。 完結しました。ありがとうございました！