大聖女として教会で日々働かされていたクレアスティーネは、「治癒魔法に頼らない治療方法を!」と日々訴えていた。しかし、ある時これが「怠惰」にあたるとされ、大聖女の称号を剥奪、婚約者の王太子からも婚約破棄を告げられる。代わりに妹のリーファリアが大聖女となりと王太子との結婚を宣言し彼らに嵌められたことを悟る。しかし時すでに遅く「怠惰」の罪を擦り付けられたクレアスティーネは国外追放される。
休みもなく働いていたのにどこが「怠惰」だ!と怒りにかられるも、こうなったら外国で悠々自適に暮らしてやると意気込んだが、実家に帰ることも許されずに魔境という魔物と瘴気に満ちた場所へ連れ去られてしまう。
大聖女の力でも魔境で生き延びるなど無理、とあきらめかけたとき、目の前に大きな黒龍が現れて―――
「やっと見つけた。我が“運命の番”よ。」
自分を“運命の番”だと呼ぶ黒龍に突然溺愛され戸惑いながらも龍の優しさに惹かれていくクレアスティーネ。しかし、祖国の陰謀を目の当たりにしてしまい……。
前作の「運命の番は聖女の婚約者でした」のスピンオフ的な話です。龍王様とクレアスティーネのお話なので前回の過去になります。こちらだけでも問題なく読めると思います。