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短編
マンガ、テレビ、映画、みんなヤクザが大好きだ。ヤクザが腰の重い警察に代わって悪を罰し、何もできないサラリーマンはそれを見ているだけで、バカを見る間抜け役だ。ヤクザは金持ちで思いやりがあって、トラブルを解決し、親切で、気っぷが良く、頭も良い。 ヤクザが料理をしたり、夜食を作ったり、学校の先生になったり、政治家になったり、マンガの世界ではヤクザは万能で大人気です。ヤクザになれなかった間抜けはサラリーマンにしかなれないと言った漫才師もいました。 そんなヤクザにしがないサラリーマンが立ち向かっていくお話です。 ヤクザを描くとどうしても暴力にふれるところもあると思いますが、出来るだけ暗くならないように私なりにギャグをちりばめています。  商社に勤める主人公は取引先の化学会社が反社会組織(ヤクザ)に化学薬品を売ってしまった事実を突き止め、その調査に乗り出します。またその化学会社社員は自殺しており、事件性があることが分かりました。そこで関係各社から落ちこぼれ社員1人ずつ、計3人からなるパーティが結成されました。  3人はそれぞれ童貞、淫乱、アル中であり、各社から要らなくて出された身の上です。そのためなかなか調査は進みませんが、ヤクザに流れた薬品が合成麻薬製造に使われたことを突き止めます。そして実際にヤクザにも遭遇し脅されます。しかし3人は勇気をふり絞って警察に通報し、証拠をつかむための作戦に出ます。  用意周到に計画を立てたものの、ミスが重なり警察の突入は不発に終わってしまいます。警察は引き上げ、会社からもチーム解散の指示を受けます。失意の3人はそれぞれ色事や酒に逃げますが、もともと自殺願望のあった主人公はひそかに1人で突入を決意します。  残り2人に引き留められながらも主人公は単身でヤクザの本拠地に乗り込み、そこに証拠となる機器を発見します。しかしすぐにつかまり、麻薬を打たれ、拉致されて東京湾へ連れてかれます。  九死に一生を得た主人公は病院で目が覚めます。そして自分が助けられたことと、ヤクザの組織が親会社によって吸収されたことを知ります。目的を失った主人公はやがて今度は親会社への戦いを決意する、というお話です。
作品情報
コメディー[文芸]
最終更新日:2022年05月26日
日常 青春 ホームドラマ 冒険 ラブコメ ギャグ ほのぼの 現代 男主人公 キネノベ大賞5 読了時間:約58分(28,807文字)