勇者により、魔王は敗れ、長い時を経て人類と魔族の戦争は幕を閉じる。
世界は元の形に戻ろうとしていた。
どこかの誰かが言った。
「戦争が終わってよかった!これで世界は平和だ!」
別の場所の誰かは言った。
「戦争は終わっていない。人類は人類に支配されて生き続けるんだ」
人類は喜ぶ物も入れば、絶望する者もいた。
人々は願う。
『平和よ、永遠に!』
『俺達をこの支配から救ってくれ!』
世界のどこかで彼等の声を聴くものがいた。
「うんうん。幸せの音も、絶望の音も、みーんな聞こえるねぇ。ふふ、君の言った通り、平和って難しいね。いっその事みんな楽にしちゃう?」
虚空に向かって笑いながら話しかける灰色のローブを纏った男がいた。
暫くして、何かに納得したように男は立ち上がる。
「待っててね。みんな今すぐ楽にしてあげるカラ♪」
男は世界の敵か、それとも救世主なのか、それは誰にも分からない。
でも、一つだけ言えることがあるとしたら、
『男は今の世界をとても憎んでいた』のだった
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2023年10月18日
身分差 オリジナル戦記 日常 青春 IF戦記 異能力バトル ヒーロー スパイ 冒険 ラブコメ 怪獣
読了時間:約9分(4,350文字)