来栖見アリナはあるとき、アーリナ・クルーセルとして異世界へ転生を果たした。転生先はフィットリア領を治めるクルーセル家。前世でも、孤独に奮闘していたアーリナだったが、生まれ変わっても家族からは邪魔者扱い。
理由はただ一つ──彼女には一切の魔力がなかったこと。
この世界では生き抜くことは勿論、親の愛を受けるためにも魔力が必要だった。転生して間もなく妹が生まれ、両親の心はさらに遠く離れていった。
(皆で笑って暮らしたい……ただそれだけなのに。これって贅沢な願いなのかな?)
あるとき、アーリナは決意した。蔑ろにする家族なんて要らない──領地を奪い、自分の夢を叶えようと。
『生まれ変わったら、世界をギラギコバッタンしてやるんだ!』
いつだってそう思っていたし、彼女には力があった。魔力の代わりに、一振りの光輝く斧【斧神ラドニアル】の力が──アーリナは未来の幸せのため、密かに作戦を開始した。
◆◇◆
・2025年7月1日より更新再開します。
・カクヨムでも掲載しています。