──＂聖女＂として伯爵家に連れられ、母親と無理矢理引き離されたティアは１０年ただひたすらに聖女として育てられてきた。 　しかし１６歳の時、国の第二王子から偽りの＂聖女＂と呼ばれ貴族達からは蔑まれた的にされてしまう。 　母もいない、聖女として育てられたのにそれすらも奪われ、それならばいっそ壊れてしまえばいいと望むティアの元に現れたのは見知らぬ男──天才大魔法使いのジークレイン。 「それなら俺があんたのこと拾ってやるよ」 　帰る場所も行きたい場所もないティアを攫い、居心地の悪い場所から掬い上げてくれたジークレインに感謝しつつ、彼との不思議な同居生活が始まることに。 　初恋の人を助けたいけど素直になれない天才大魔法使いとどこか鈍い元聖女の恋人になるまでも物語。 　

　世に蔓延り人間を襲う吸血鬼を狩るのが祓魔師の役目であり、お互いがお互いに相反する存在である。 　人間と吸血鬼が恋に落ちるなんて、そんな事あるはずがないと思っていたのに、この胸の高鳴りは一体なんなのか。 「どうやら私は君に恋をしているらしい」 「…………はぁ！？」 　人間で祓魔師なのに吸血鬼を憎まない少女とどこかお人好しな青年吸血鬼が人を襲う吸血鬼を狩る物語であり 　これは人間の祓魔師の少女が吸血鬼の青年に恋をする話だ。