わたしと彼とでは歩幅が違う、歩く速さが違う。だから一緒にいるって思っていたその時間も、本当は違っていたのかもしれない。
それはまるで星のよう。
つまりわたしたちは最初から、近くに見えているだけで、一緒になんていなかったもかもしれない。
サヨナラを告げるために呼び出したのに、彼はわたしを夜の山道に誘った。今日が流星群のピークだからとか言いながら。そこでも二人の距離は少しずつ離れてしまう。このままだと何も言えないまま終わってしまいそうで、わたしは彼の手を掴んだ。
そのとき、頭の上を星が流れていく。それはまるで涙のようだって、そう思った。
恋愛 星 相対性理論 距離と時間 光
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