人生で最も愛した小説の主人公・リディアに転生した私。
しかし、リディアの運命は最悪だった。
王の命で隣国の公爵であり騎士団長でもあるアーサーを暗殺しようとするも、最終的にリディアはアーサーに討たれてしまう――それが原作の結末。
読者として、リディアに、そしてアーサーにも幸せになってほしいと願っていた私は、転生後すぐに「騎士を辞めて穏やかに暮らします」と宣言する。
これでアーサーも死なず、平和な未来が待っている……はずだった。
なのに、なぜかアーサーが妙に距離を詰めてくる。
「こうでもしないと、また俺から逃げるでしょう?」
逃げる私を追い詰め、甘い言葉を囁いてくる公爵様。
――ちょっと待って!? 私たち、本来は殺し合う運命では!?
なのに、気がつけばアーサーの腕の中で溺愛されていて……。