職業自宅警備員である現在25歳の新田和人は、今日も自宅警備の仕事に勤しんでいる。
主に担当している場所は自室で、勤務時間はブラック企業もお手上げの24時間。
もちろん休日は存在しない。有給も皆無の年中無休の職業である。
しかしながら、それを世間の愚か者達は職業とは呼ばず、口を揃えて『ニート』と呼ぶ。
最初の頃は職務中にも関わらず、母親がガミガミと文句を囀っていたが、今では俺の職務態度に感心したのか何も言ってこなくなった。
だが、世間の愚か者達の声は違った。
こんな世界は俺が居るべき世界ではない。
そう思っていたある日、眩い光と魔法陣が唐突に現れ、俺は別の世界と呼ばれる『異世界』へと召喚された。