エデルの村に住む7歳のリアは、ある日転んだことをきっかけに、前世の記憶を思い出す。
前世では、風間響子(かざまきょうこ)という女の子で、高校受験を見事クリアしたご褒美にと乙女ゲームを購入した帰り道、事故に遭って死んでしまったのだ。
そのとき、響子を助けようと飛び出してくれた雲野壮介(くものそうすけ)は、響子の兄の友人であり、憧れの人だった。
彼が最後に口にした言葉を知りたいと思ってもそれを叶える術はない。
13歳の時、〈水清めの力〉を持つリアは、神殿に召喚され、ヴェルタの聖女となった。
幼馴染のゲルトは聖騎士に任命された。
退屈ながら穏やかな日々が続く中、17歳になったリアとゲルトの元に、見知らぬ男女——領主の息子クラウス・フォン・アーレントと、貴族令嬢アンナ・バーレが現れる。
2人の計略により聖女の役目を追われたリアは、ゲルトと共に村に帰ろうとするが——
「お前は、俺の女になるんだ」と言い放つクラウス。
そうして、リアとゲルトは、クラウスの住む屋敷へと強制的に連れ去られることとなる。
「リアは絶対誰にも渡さない」
聖女の身分を追われた少女の、はじめての恋。
※「カクヨム」にも投稿していますが、こちらが初期バージョンになります。「カクヨム」版は公募のため1話追加しています。(2024.12.18)
※※第23回角川ビーンズ小説大賞WEBテーマ部門 2次選考通過