小説を読んでいたら、本の登場人物になってしまっていた。どうやら私は主人公の姉、エレーヌであるという。彼女が生まれた世界は破滅の危殆に瀕しており、その運命に翻弄され、命を堕としてしまう未来を変えるべく、私は原作改編を試みる。 次の王として期待されつつもエレーヌは、他の登場人物たちの生存と国の存続のため、動きだした。 私が辿り着きたい未来のために、今なすべきことは目の前のことに最善を尽くすことだけなのだと、私は前を向くことにした。メリーバッドエンドをむかえないために。

最近のブームである、乙女ゲームに異世界転移やら転生して、悪役令嬢になってしまい、ざあぁをするという展開に疑問を持っている、隠れ乙女ゲーマーの水景玲子は「 乙女ゲームに悪役令嬢なんて滅多に出てこないのに、なんでこんなに異世界転生モノで描かれている、乙女ゲームの世界には悪役令嬢なんて存在が出てくるのが流行ってるわけ？！ 」と内心沸々と怒りを覚えていた。 本来の乙女ゲームには出てこない存在が、蔓延っているこの状況に疑問感と危機感を覚えた彼女。 しかし彼女は知らない。今話題の『乙女ゲーム』は、乙女ゲームの皮を被った異世界ファンタジーだった！ そして、乙女ゲームに対する誤解を解こうとするが、ある日目を覚ましたら、自分が悪役令嬢になっていた。