もし日本が西側の盟主で東西冷戦を現代まで戦っていたら―――。 北に南に西に東に，陸に山に海に空に，宇宙に。すべてが戦場だった。 そんな世界の空で戦う彼らたちの，壮大な物語。

さようならだ。いつかまた会う，その日まで。

「さあッ！終わらせてやろうじゃないかッ！全てをッ！！」 弾丸が激しく飛び交う荒野で，全身を紅で染めた少年が一人，大勢の敵たちに囲まれ戦う。 まるで，何かを守るかのように――。 ならば，何を――？ 何の為に，彼は戦うのか―――？

未成機――。計画・試作されながらも，完成することのなかった機体。本来ならば，歴史の影に消えていくはずの存在だった。しかし――。 もしも。あの戦場に，間に合っていたのなら―――。 これは，日の目を見ることのなかった，そんな彼らの物語。 ――歴史にもしもは禁物だが，もし，間に合っていたのなら。