強大な魔力持ちだった祖父は、その魔力をすべて差し出せ――即ち死ね――と国から命令された時、最後の、そしてたった一つの願いとして幼馴染である祖母との結婚を望んだ。
祖母は、死に行く祖父にそれでも守護とを、自らの記憶を代償に祖母にできる極限の魔法を行使したため、それまでの記憶はほぼ消えた。
また、生まれた母が祖父に似て膨大な魔力で魔力暴走を起こすと、通常の方法で抑えることができなかった祖母は、その度に自らの記憶を代償に母を抑えていたという。
そんな祖母の覚えていた、たった一つの望み。それは、祖父にひまわり畑でプロポーズしてもらいたかったということ。
『第4回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞』の参加作品です。