結婚。それはゾーイ・フォン・アインザッツにとって単なる契約でしかない。その契約の履行相手であるエリアス・フォン・ウィトゲンシュタインはとんだ浮気者だった。しかしそれでもゾーイにとって問題はなかった。たとえそうだとしても、結婚という契約さえ結んでしまえればそれでいい。そう思っていた。
ところが、ある日ひょんなことからエリアスはおかしくなってしまった。曰く「ここは乙女ゲームの世界だ!」とのことで、自分は本当はエリアスではないと言い出して――……。
おかしくなったエリアスと、浮気相手に囲まれて、頭の痛い思いをしながら奮闘したりしなかったりするお話。