ネモフィラは人付き合いが苦手な陶器職人見習いの女の子で、唯一の取り柄はユニークスキルを持っていることだった。
その名も『陶器生成』
英雄になれるような力ではなく、単に陶器を生み出せる、ただそれだけの力だ。
そんなネモフィラは師匠の死を機に工房を追放される事になってしまった。
一方その頃、この世界で最も大きな国である帝国は異世界との交流を目指していた。
偶然発見された異界の門の先には遥かに進んだ文明があり、その文明の力を手に入れようと懸命な外交を続けていた。
そうした外交の末、贈り物として送ったあるひとつの陶器が、世界同士の交流を進展させるほどの評価を受けることになる。
それはネモフィラが『陶器生成』で創った陶器であった。
突如世界同士の外交の鍵となったネモフィラは予想だにしない非日常へと巻き込まれていき――――
中世風の異世界と、発展した異世界を跨ぐお話で、陰キャな女の子がちやほやされたり、成長したり、恋愛したり、死にかけたり、笑ったり、泣いたり、立ち向かったりするお話です。