作品一覧全1件
代表作 連載 108エピソード
高校三年生の青年は、実の爺ちゃんを殺した。 卒業に近づくと夜毎に、「人に忘れられる」恐怖に襲われるようになっていった青年は、笑い合う同級生に忘れられることが怖くなり、卒業祭というものを企画した。 親友と二人で企画したものだが、卒業祭のその前日。 爺ちゃんは、俺が企画した卒業祭の事でせいで死んだ。 俺は人と話すことすら出来なくなった。 人が怖くなった。自分が言ったことや行った事が尾を引いて、また誰かを傷つけると思った。 覚えてもらう努力を出来ない俺は、ただ、忘れられたくないのだ。 そんな時に、家族で行った花見。 そこで俺はある彼女に出会う。 彼女の横には、保育園児くらいの年頃の子供がいた。 その子に焦らされるように彼女は桜の木に登るが足を滑らせ転落、入院することになる。 俺は救急車を呼んで、同乗した。 その後も俺は、彼女が心配でお見舞いに行くようになる。 一目惚れだった。 彼女に気持ちを伝えようと決めたその日、俺は強く、胸を握った。 俺がどんなに地味で、平凡な人間だろうと、彼女の心に、頭に住みついてやると。 絶対に忘れられたくないと心に決めた。 が、実は彼女は、生まれつき記憶できる量が圧倒的に少なく、新しいものを覚えれば一つ何かを忘れてしまう。 微かに彼女に芽生え始めた、あの青年への気持ちは、彼女の中で残り続けるのか。
作品情報
現実世界[恋愛] 残酷な描写あり
最終更新日:2023年03月09日
悲恋 スクールラブ 日常 青春 ほのぼの 男主人公 女主人公 学園 現代 病気 反社会 鬱 孤独 記憶 読了時間:約131分(65,012文字)