作品一覧全2件
連載 93エピソード
 婚約破棄の衝撃で思い出す。  そう、ここは本の中の世界で、私はその世界の悪役令嬢!来世の記憶と本のストーリーに沿った未来の記憶をもってして、目の前にいる第1王子と聖女をぎゃふん!と言わせる。今からそんな物語を紡いでいくわ!  だがしかし、何も起こらない。来世の記憶も未来の記憶も何も思い浮かばない。  よくある断罪シーンで大公女フィナリーヌは妄想にふけっていたのだ。  公爵令嬢は転生したい!!がそう都合よくはいかない。 そんな公女が繰り広げる日常×ギャグ×戦闘の物語 カクヨムに続き投稿してます ★があるところはTrinArt挿絵があります。 ●のところは地図があります
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
最終更新日:2023年05月12日
アニセカ小説大賞1 ギャグ ほのぼの 女主人公 人外 中世 魔法 日常 ラブコメ 後半シリアス 挿絵あり 読了時間:約396分(197,619文字)
連載 完結済 3エピソード
「サラマンディアはチョコ好き?」 「……。食べたことない」  お酒は好きだが、人のご飯やお菓子はあまり食べたがるイメージがない。甘いものが嫌いだったら可哀想なので、念のため聞いてみる。 「甘いものは好き?」 「お酒なら」 「そっか!お酒入りのチョコ買ってきたけど、食べる?」  サラマンディアは無言で頷く。 「紅茶いれるから一緒に食べよ」 「このチョコ、お酒強くて美味しい」 サラマンディアはかなり気に入ってくれたようだ。 私はお酒が弱いので、ちょっと胸が熱い。 「良かった。お酒入りって書いてあったからサラマンディア喜ぶと思って」 サラマンディアは無言で頷き、立ちあがる。 釜を開け、失敗したショコラケーキを取り出し、一口食べる。 「これも美味しいよ」 サラマンディアは悪戯な小さい笑みを浮かべ、見つめてくる。 失敗したケーキを見られた恥ずかしさや、失敗したのに食べてくれた嬉しい感情がぐちゃぐちゃになる。ショコラケーキのように爆発しそうだ。お酒入りのチョコのせいでさらに顔が熱くなる。  以前(第53話参照)も思ったが、サラマンディアは女の子の喜ばせ方を知っている気がする。  失敗した手作りケーキを食べて貰い、美味しいと言われ普通に嬉しい。 サラマンディアが少しふらついている私の肩に右手を置き、左手で頬に触れる。 「熱いけど、大丈夫?」 「大丈夫。ちょっとお酒で熱くなってるだけだから」 お酒で頭がぐわんぐわんとしてきた。頬に触れた手が冷たく感じて気持ちが良い。火の精霊なのに、性格も温度も反対だ。 「これ食べて」 サラマンディアが丸いチョコを口に押し込む。左手の親指も一緒に口の中に入ってきた。チョコと一緒に指を少し噛んでしまった気がする。お酒のせいで意識がぼやけはっきりしない。
作品情報
異世界[恋愛] R15ボーイズラブガールズラブ
最終更新日:2023年02月13日
異類婚姻譚 悪役令嬢 日常 青春 ラブコメ アイリスIF2大賞 短編 イラスト有 読了時間:約16分(7,852文字)