毎日突きつけられる自身との対話。自分はこの世の中に必要とされているのだろうかと悩む智也。もしこの世界に自分が存在しなかったとしたら何が起こるのだろうか。今、世界は安定期を越えようとしている。日々混沌としていく世界で日々自分とそして世界と戦っていく智也と彩子。旅の先々で仲間と出会うこともあり、新たな発見がある。しかしその発見が良いものとは限らなかった。旅の道中で目の当たりにするモンスターの巨大化、不可解な事件。時々この世界から出ていきたいと思うことはあるけれど、二人で乗り越えてゆこうと自分と向き合ってゆく智也と彩子。嘘の多いこの世界で旅の途中で出会う人やモンスターと共に前に立ちはだかる壁を乗り越えていく。
ボイスリアクトはもともと世界に存在しないものを生み出せるとんでもないアイテムだ。彼が転移する前にも数々の転移転生者がここにやってきた。ここにやってきた異世界者はあらかじめボイスリアクトを持たされている者と持たされていない者にわかれていた。
そのアイテムはとても珍しいもので各地で高値で取引されていた。誰もが欲しがるこのアイテムを自分が持っていて最初はうれしい反面、徐々に混沌とした世界を知ると智也の心が少しずつ狂いだす。どうしようもない現実と直面し、自分の能力をどこかへ放り投げたくなる智也。しかし彼は皆に非常識扱いされながらも、高く期待されていた。彼が危機に瀕したとき幾度となく仲間に助けられる。仲間に守られながら、仲間と関係のない世界を救おうとしている智也はその自分の運命を恨み、悲観し続ける。いっそのこと逃げ出してしまいたいと思うようになる。その時は仲間が決まって自分を顧みずに助けてくれる。彼も自分の能力に誇りを持ち、自分ができることなら発揮したいと思っている。だが仲間をみすみす危険にさせるような自分がいてそれを受け入れてる仲間がいる。その葛藤はやがて彼ら、もしくは世界にどのような影響を与えるのか。これは智也と彩子の異世界での奮闘劇である。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15
最終更新日:2025年07月22日
勇者 冒険 ゲーム 身分差 電脳世界 異世界 ヒューマンドラマ
読了時間:約559分(279,272文字)