５月１９日の金曜日。僕の机の上に、１輪の菊の花が活けられた花瓶が置いてあった。

西暦2048年、人類は世界から失踪した。

雨の日の帰り道。何の変哲もない、いつも通りの日常。

あれは初雪が降った日――ぼくは白くて儚い、あの雪のようになりたいと思った。

３年後、歴史的な大規模殺人事件を起こすことになる《最凶》の殺人鬼、霧崎ジャック。 これは、誰も知らない――この先も語られることのない、彼の誕生秘話の一断片。

とある夏休み。闇夜の続く田舎道で、僕は一人の少女と出会った――。