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代表作 短編
戦争に巻き込まれた時、俺はまだ若かった。ドイツに生まれ育ち、当然のように戦争に参加した。最初は前線に行くことが嬉しかった。だって、俺たちは勝つために戦っているんだから。でも、現実はそう甘くなかった。 寒さ、飢え、睡眠不足、そして戦場で見た光景。それらは俺の心を抉り、深い傷を残した。それでも、俺は戦うことを選び続けた。祖国のため、家族のため、そして自分のために。 そして、ある日、俺たちはスターリングラードに配属された。あの街での戦いは、俺の人生にとって決定的な瞬間だった。激しい戦闘、破壊された建物、そして仲間たちの死。俺は生き残ったが、その代償として多くの仲間たちを失った。 スターリングラードでの戦いが終わった後、一人で街を去った。生き残ったことが嬉しいというより、何もかもが無に帰す感覚があった。そして、俺はその後も戦争に参加し続けた。でも、あの日から、俺は戦争について考えるようになった。それは、決して語ることのできない、そして忘れることのできない、深い傷だった。
作品情報
歴史[文芸] 残酷な描写あり
最終更新日:2023年03月19日
史実 時代小説 近代 ミリタリー 読了時間:約9分(4,299文字)