俺は、契約者の呼び声に従い、願いを叶えるためにこの世界にやって来たんだが、そこにいたのが――幼い少女。
「けっこんして!」
……は? 結婚? 誰が誰と? 願いはそれでいいのか? 今まさに国が滅びようとしているのわかってるか?
これはあれだ。大きくなったらパパと結婚する!っていうのと同じか!だったら真に受けて結婚するわけにもいかない!ってことで十年ほど逃げ回ってたんだが。
そんなある日、参謀のババアから「聖なる守護者の選定候補になってくれ」と頼まれる。まあ、断る理由もねえし、引き受けたんだが……それって「女王の配偶者を選ぶ儀式」だったんかい!?
運命ってやつは、どうしても俺とあの少女を結婚させたいらしい。それが契約者の願いであり続けるのなら、運命の強制力ってやつか!
――だが、待ってほしい、どこからどうみても、俺はおっさんだぞ? いいのか? おっさんと結婚なんかしたくないだろ?
神聖で、ちょっとおかしくて、意外と甘い。
実は白狼のおっさんと若き女王の、十年越しのすれ違い系ラブコメ、ここに開幕。