にこにこと笑うあなたを遠くから見ていた。
あなたの周りにはいつも笑いが絶えなくて、男も女も老いも若きも。
みんなあなたと話しては、満足そうに笑って去るの。
そして一人でしゃがみ込むあなたの隣にわたしも座り、
「どうしていつも笑っているの?」
と尋ねる。
あなたは少し困ったようにそんなこと言われてもと、にこにこ笑うの。
怒った顔が見たくて、たくさん意地悪したけど、やっぱり笑っているだけ。
それは卑怯な笑い。
心の奥底は見せないままのカムフラージュ。
何を考えているの?
一人でいる時も笑っているの?
お願い、違う顔を見せてよ。
作品情報
ノンジャンル[ノンジャンル]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2012年11月02日
いい人 トラウマ 暴力 旅立ち 恋愛
読了時間:約36分(17,954文字)