これは、忘れられた焔と、記憶する氷の物語。
崩壊寸前の帝国で、ひとり炎を灯し続ける若き皇女アグニス。
兄を殺した「異形」と、帝国を蝕む陰謀に立ち向かうため、彼女は理想を捨て、非情な司令官となる。
そんな彼女の運命を、すべてを見つめ続けてきた“氷の魔女”エララは静かに見届ける。
交わるはずのなかったふたりの魂が、
やがて世界の“律”に抗う、最後の戦いを選ぶ――
七つの律が支配する世界で、すべてを失った少女がなおも問い続ける。
「私は、私のままで在れるのか?」
神の沈黙、揺らぐ七つの律。
世界の法則(ルール)が音もなく崩れはじめた時、物語は静かに動き出す。
戦火に包まれた帝国。
運命に抗い、焔を継ぐ皇女。
律を見つめ、氷の理を生きる魔女。
交わるはずのなかった二つの理(ことわり)が出会うとき、
世界の“記憶”は揺らぎ、禁じられた詩篇が紡がれていく。
これは、崩壊と再生の狭間で――
名を呼ばれぬ者たちが、それでも未来を願った記録。
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