【記録開始：地球暦20XX年】 惑星たるたるより派遣された観測個体B1（タルタル派閥としては中立的ながら、傾向的には“卵ゴロゴロ派”に近似）通称たるたる星人は、現在、地球文明の観測任務に従事中。 主観測対象： ・人類の生活様式 ・特に食品取得行動、休息環境、言語構造に関する事象 当該個体は精神伝達体系を有しており、行動記録はすべて触手による記録端末へと保存される。 ⸻ ※注意事項： 本観測記録には、観測個体による文化的誤認や解釈のズレが含まれている可能性があります。 あらかじめご了承ください。 ⸻ 一話あたり短め。だいたい一日一話投稿予定です。 更新を追う際は、頭を空っぽにすることをおすすめします。たるたる成分が脳に滲むかもしれません。 番外録は基本的におふざけ回です。

旧校舎に残された、静かな文芸教室。 そこは、クラスでも目立たない少年・黒川想太が、ひっそりと言葉を綴り、本当の自分でいられる、たったひとつの場所だった。 ある夕暮れ、その教室に現れたのは、クラスの中心にいる少女・中野澪。 彼女が語ったのは、誰にも言えなかった“別れ”のこと。 沈む夕陽の中、想いは言葉にならず──ただ、光だけが残った。 夕暮れの教室に紡がれたのは、届かぬはずだった、“誰かの想い”。 一話完結の短編。短めです。

誕生日にプレゼントを受け取った少年が告げた「ありがとう」。 その言葉のあとに残されたのは、たったひとつの静かな空白だった。