突如現れた怪物に襲われ、柊白斗は命を落とした。
しかし死んだ筈の白斗は何故か、見慣れぬ部屋で目を覚ます。そこで彼が出会ったのは、世にも美しい死神のような少女だった。
その少女――氷室月葉が白斗に対して突き付けたのは、あまりにも残酷な現実だった。
冬にしか存在出来ない幽霊――『雪霊』。自分を殺した怪物を、殺すことでしか死ねない存在。今の自分達は、そういう存在であるのだと。
怪物を殺し人として冬を終えるのか、人を殺し怪物として冬に縋るのか。どちらにせよ人としては生きられない、絶望的な二択を強制された白斗。
彼が選択する道は、そしてその果てで彼を待ち受ける「終わり」とは……?
これは、彼らが生きた冬の物語。或いは、彼らが死んだ冬の物語である。