お前など娘ではない。 実の父親から香耶に告げられた慈悲のない言葉。 それを契機として、屋敷の人々は彼女につらく当たるようになった。 けれど、香耶にはある時目覚めたのだ。 古くは家を興し栄えさせた特別な力に。 それは生まれてくる子の力を増大させるというもの。 次第に彼女を狙い利用しようとする人々が現れる。 そのうちの一人と香耶は契約婚を結ぶのであった。

田舎の旧家に生まれた一也は、少女でありながら叔母である寧子と出会う。 二人は姉弟のように育った。ある日、進学していた寧子は男を連れて田舎に戻ってくる。 「彼と学生結婚をします」

あの日、私の住む村は滅ぼされました。 私は滅ぼした相手に引き取られました。

ある日、僕はそれと出会った。 それは「人間」ではないと分かる。 でも、僕とそれは一つ屋根の下で暮らした。

平民という出自から聖女になったコレット。 素敵な相手も見つけ、そろそろ聖女を辞退したい年頃だ。 しかし、それが破談になるなど彼女には知る由もなかった。

「彼女はできたの？」 そんな幼馴染からの問いかけに 加藤　甲己（かとう　こうき）は答える事ができなかった。 何故なら、彼が好きな女の子は 目の前にいる田中　咲（たなか　さき）なのだから。 そんな甲己の気持ちも知らずに彼女は言う。 「じゃあ、あたしがあんたに彼女ができるよう協力してあげる！」

村の神職として、瘴気を払う役目を担っていた律は役目を怠ったと村を追放されてしまう。 行く当てのない夜の森で、なぜか村の守護獣がついてきた。