「はい、えぇ六時間目なんですけど、御子柴先生が出張ということで自習になりました。まだ皆さん”中学二年生を振り返って”の作文を書き終えていないと思うので、今のうちに出来るところまで進めてください。」
「先生できました。」
「添削お願いします。」
「二人とも早いですね。流石、、、」
『無考観者と吐瀉物煮込み~熟成幼児を添えて~』楯条 凜
『火に焼かれるか火を得るか、はたまた溶かされ朽ちゆくか』月城 悠真
「書き直してください。」
物心つく前から空手を病的に愛し、全中にも出場する月城悠真。
上達速度が尋常ではなく、なんでもそつなくこなしてしまう楯条凜。
二人は小3以来不可逆な時を共に歩み、喜怒哀楽を共有してきた大親友である。
そんな二人の関係も今年でついに7年目、晴れて華の高校生となる。
チャリ20分という好条件に釣られ荻原高等学校に進学した二人は、
親や才能、対人関係、過去や恋や自身の気持ち、新たにできた友人達、
様々な問題に直面しながらも、緩くしなやかに対応し成長していく。
これはそんなゆるい日常譚。