【 end.17 火竜の嘆き 】――また、バッドエンドか。
十八歳の枢木蒼汰が『竜騎士』として異世界召喚されてから、十七回目の失敗だ。
エンディングを迎えるごとに『強くてニューゲーム』仕様のタイムリープを繰り返していた蒼汰は、万全の準備をして臨んだ十七回目で世界の崩壊を目の当たりにし、絶望に暮れていた。そのとき、【 ここまでの人生を記録しますか? 】画面を殴ってみたら文字化けが起きて――?
迎えた十八回目の繰り返し。召喚魔方陣の上で目覚めたら、ここまでの周回で得たレベル、ステータス、スキル、すべてを失っていた。オール1、スキルなし。
「竜騎士どころか村人にも劣るんだが?」
それでもソウタはトゥルーエンドを諦めない。
相棒である火竜のため、親友である女王のため、かわいい王宮メイドさんのため、バグった世界で村人以下の『竜騎士』となった少年は抗う。人類滅亡の運命はもちろん、「何者かになりたくて、何者にもなれなかった」召喚前の自分を打ち破るために。
※当作品は、カクヨム様にも時差投稿しています