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短編
事故で首の骨を折り、手脚が動かない四肢麻痺と成り一瞬にして人生が変わった企業戦士。 育ち盛りの息子の父親でもある働き盛りの40歳、立つことも指さえも動かせない重度障害の身体、医者からは施設入所を告げられる。 自宅で妻子との暮らしを諦めるたくないが、肩から下がまったく動かない体でも働けるようリハビリに必至で取り組む。しかし破壊された中枢神経は治療できない。リハビリにて鍛えた手腕の残存機能を最大限活用して、パソコンによる在宅勤務の道を切り拓いていく。 介護なくしては暮せない身体障害は家庭に仕事に、そして時間と共に家族の将来にも及んでいく。 愛猫たちとの離別や妻との死別を重ね、家庭も崩れていく。 寝返りすら自力で出来ないベッドで天井を見つめる日々。 逝ってしまった歴代のネコたち、そして死別した家族たちは大きなエネルギー集合体に還りそして新たな生命として、 解かっている様な心を有して自身の暮らしに入って来る、真理を実感してい行く。 心折れながらも進み、心を今に置き絶望から生き直す力を、ネコたちの不思議で達観した力を見習い日常を培う。 なぜ私、なぜ我が家にという、不条理には因果はなく、いつどこにでも起きうる器量が自分自身を支える糧と成っていく。朝から就寝まで介護ヘルパーさんと暮らす日々にて、二度目の人生を日常として捉えられる様に成っていく。禍福は紙ひとえで、とらえ方次第でどちらにも変わる。心折れながらも進み、心のしなやかさと絶望から生き直す力を、ネコたちを通じ培う。 今、健常の誰にでも起きうる突然に襲われる、寝たきり障害と介護、家族たちの暮らしと人生の難破。人生は喪失のプロセスとレジリエンスそのものであることを会得し、心穏やかに暮す日常を取り戻す。 心を今に置き、重い障害を受け入れるまでの苦悩と葛藤の25年間のノンフィクション物語。
作品情報
ヒューマンドラマ[文芸]
最終更新日:2023年09月05日
日常 私小説 ホームドラマ ネコ バスケットボール 介護 在宅勤務 家族 車椅子 リハビリテーション 障害者 ドリコム大賞2 脊髄損傷 愛情 読了時間:約121分(60,337文字)