幼い頃に大切なものを失い、心を閉ざすことでしか自分を守れなかった少年。
幼い頃に壊れかけた大切なものを守りたくて、幸福を演じるしかなかった少女。
そんな二人が演劇部で出会って始まった、少しだけずれた青春劇。
悲劇が人の心を抉り、絶望の裏に救われること。
喜劇が人の心を掴み、笑顔の裏で壊れていくこと。
まだ知らない二人が、お互いの心に触れ合った時――それが救いとなるか、破滅を呼ぶか。
これは救済ではなく、共鳴であり。
きっと共存ではなく、再構築の物語。
どこまでも無邪気に、無自覚に――だけど始まった以上は避けられない。
それがどれだけ痛みを伴う役であっても、もう舞台の幕は上がったのだから。