「お世話になりました。」
退職から数日。今日は自分のために時間を使うんだと決めた私、早瀬まもり。
生憎の雨だったが、真昼間の平日に街中を歩くのは気分が良い。
まずは何をしようか、そんなことを考えながら歩いていると、目の前を横切っていて喫茶店に入っていく青年。
雨が降っているというのに、彼が通った後の道は、お日さまの香りがした。
私は何となく彼が気になって、喫茶店の窓ガラス越しに店内を覗き込むのだった。
この出会いがきっかけで、私は新しい世界へ足を踏み込むことなるのだった。
現世の人には知られていない、迎えにいこ課で働く人たちのお話