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連載 1エピソード
忘れることが出来ない記憶。なのに思い出せない記憶。 恐怖を覚えるこの感覚が、誰かを侵食していく。 何気ない日常、変わることない顔ぶれ、そこにあった何か、 考えることを許されないこの世界。 なんの前触れなくそれは訪れた。 私の大事な翔かけるが車に轢かれたのだ。 思い出す度震えが止まらなくなり、胸を締め付けるこのモワモワ感忘れることなんて難しいと思ってた。 だけど何か違った。昨日死んだはずの翔が生きていたのだ。 「どういうこと?」と思いながらも 昨日のことは単なる夢だったんだと思い込んだの。 その日彼の家の前を通ると車で人が轢かれてるのを目の前で見てしまったのだ。 えっ!と思いその人の顔を見るとさっき隣にいた。 翔だった。 なんで隣にいたのに目の前の事故にあってるの? なんでおかしいじゃんと思い、 ふと家族の言葉を思い出したの。 「今日は一人で行くのね」と あの時に気づくべきだった。 あの時に気づいていれば救えていたのに。 そう思った時にはもう夢の中にいた。 「ねぇ 今どんな気持ち?好きな人が目の前で死んだの?」 どこからともなく声が聞こえて 「誰?!あなたの仕業なの?!」 と声を荒げた。 私の声に反応するようにその人?は笑いだした。 「ここにいるってことは貴方は罪人なのよ」 「え どういうこと?」 「あなたは人を殺してるの だから大切な人を何度も殺される夢を見せてるのw」 「ころ……」 「分かってないの?翔を殺したのは お前だよ」 そう言うと夢から目が覚めた。あれは一体。
作品情報
ホラー[文芸]
最終更新日:2024年02月14日
死別 読了時間:約2分(608文字)