喜八は江戸で横行する火付けの現場を、野次馬に紛れて見物していた。
焼け跡からは無残に斬り刻まれた骸が発見された。噂によると、同じような事件が続いているという。それを聞いて、喜八は尾張にある自分の店が心配になり、早々に帰途についた。
道すがら喜八は、腹を空かせて行き倒れかけている右近と名乗る若者と出会った。右近に同情した喜八は、旅路を共にすることを申し出るが、同宿した先でまた火事に見舞われてしまう。
焼け跡が気になりつつも、右近に袖を引かれて宿場町を後にする喜八。
峠に差し掛かった所で雨が降り出し、二人は森の中の東屋に身を寄せた。そこには若い女が一人いるだけだった。
ネトコン12 ダーク 和風 時代小説 罪と罰 時代物 あやかし
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