散歩の道中で見つけたミミズの死骸。こんな独白が聞こえた気がした。

旅行の帰りに立ち寄ったファミレスには、なぜだか懐かしいような切なさが漂っている。

桜舞い散る季節。高校を卒業した稔は、この春から実家を離れて関東の大学へ進学する。ついに憧れの都会での生活が始まる。そんな期待に胸を躍らせて迎えた引っ越しの日。いつも見慣れた家の風景に、稔はいつもと違う雰囲気を感じ取る。

早咲きの桜が花を咲かす3月上旬。移ろいゆく景色の中、「私」は半年前に亡くなった祖母のことを想う。