中学を卒業してから数年——
高校2年の春、宮野優は地元へと戻ってきた。
転校初日、彼の前に現れたのは、
ボーイッシュな見た目に少し大人っぽくなった幼なじみ・加藤春。
「……久しぶりだね、宮野」
昔と同じ声。だけどどこか、遠くなった気がした。
連絡も取らずに離れた数年間。
あの頃の想いは、とうに終わったと思っていたのに——
再会をきっかけに、少しずつすれ違い、近づいていくふたりの距離。
照れ隠しの冗談。
昔の呼び方。
「ただいま」と「おかえり」の間に咲く、春の風景。
これは、もう一度君に恋をする、
少しだけ不器用なラブコメディ。