香山慎之介——息をのむ美貌と鋭い頭脳を持つ警察庁の公安警察官。キャリア官僚として非の打ちどころがない彼だが、中学時代に複数の「事件」を起こし、同級生を自殺に追い込んだ過去がある。彼の美貌と魔性性から、同級生たちは彼を《ファムファタール》と呼んだ。 両親を亡くし、香山に引き取られた女子中学生・佐田詩織は、彼がかつて通った修加学院中等部へ編入する。 一方、香山の部下である須崎透は、理事官から香山の素性や過去を調査しろと命じられる。詩織と須崎の2人はある事から手を組み、香山の過去と本性を暴こうと動き出す。 香山は詩織と須崎を破滅の渦に巻き込むのか、それとも彼らが《公安のファムファタール》の真実を解き明かすのか？ 軽快な謎解きと心揺さぶる人間ドラマが交錯する、ヒューマンミステリー！

警察庁に、“顔と色気で組織を破壊する男”がいる。 香山慎之介・28歳。警備局のエリート官僚。 完璧な経歴、美しすぎる容姿、そして“喋ればセクハラ・黙っていても職場がざわつく”色気。 ──そのすべてが、地雷とだった。 そんな彼の直属部下になったのは、真面目すぎる常識人・須崎透（30）。 胃薬を手放せない、職場の“最後の防波堤”。 国会、出張、ホテルのダブルベッド。 距離は近いのに、恋ではない。 触れそうで、触れられない。 ──それでも、香山は今日も笑って言う。 「……ほら、こっち側、空いてるよ？」 これは、“絶対に落ちたくない部下”と、“無意識に全てを壊す上司”の、 【ギリギリ寸前・警察官僚コメディ】。 恋未満、色気過剰。 職場が燃えても、俺の理性だけは守りたい。