時は文化年間、江戸。長屋で一人暮らしをしている十六歳の娘・雪(ゆき)はある日、怪我を負った浪人・辰巳(たつみ)と出会う。看病を続けるうちに雪は辰巳のことが気になり始めるが……
何をしても自信が持てず、素性の知れない辰巳にとっても自分はただの都合のいい女ではないのかと、雪はそう思いながらも辰巳との縁を切れないでいた。
辰巳の目的とは、雪が長屋の住人から好ましく思われていない理由とは……?
——私は捨てられた。だけど、ずっと待っている。
ひとりぼっちの雪は、儚い望みを持ち続けていた。
孤独の雪と訳ありの辰巳の行末は、幸福か、それとも…
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