十四世紀、奴隷から身を興した朱元璋が打ち立てた明朝は、世界最大の人口、火薬印刷羅針盤の最先端技術、中央集権的な政治機構、その全てを併せ持つ大帝国であり、後の西洋列強国と比較しても百年は進歩していた。
しかし、過大な人口は寒冷化による飢饉と反乱を招き、技術は模倣され何時しか時代遅れとなり、独裁的な政治機構は腐敗した。そして、我欲と怠惰を貫いた怪物、万暦帝の五十年に及ぶ治世は明を破滅させた。
崩壊する明国、再起を図る東林党、暗躍する宦官、勃興する清国と怒涛の明君ラッシュ。
明を見捨てるか明に殉じるか、究極の選択が中華を襲う。
事実は小説よりも奇なり。
人物伝記風の中華史をご堪能あれ。
ネトコン12 シリアス 中華 近世 時代小説
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