梲の上がらない事もない程の冒険者レイジは二十五歳にして人生に疲れていた。
幼少期は将来楽をする為だとほんのりと努力をして、十五歳で成人になってからは冒険者になりそれなりに努力してきた。
お陰で二十五歳で冒険者の中でも上から三番だか四番くらいのB級にはなれた。
一人前のソロ冒険者になったレイジは思う。
もう頑張らなくても良いのではないかと。後はなあなあで適当に生きても良いのではないかと。
気に入っていた娼婦の身請けを前向きに検討していると出会ってしまった。
眠りこける黒竜に。
レイジと黒竜の出会いが多くの人の人生を変えていく。
これは怠惰を求めた男とその男と共に在った女と黒竜の話。