廃村に佇む鳴興戸トンネルには、「呪いの闇姫」と呼ばれる恐怖の霊が棲むとされ、誰も近づかない禁忌の地として恐れられている。 ある日、便利屋「よっちゃん」こと更科ヨハンの元に、青年ユウキから依頼が舞い込む。ユウキたちは知らずにそのトンネルに足を踏み入れ、呪いに苦しむことに。霊的な力を持たないヨハンだったが、彼の冷静な判断と経験が、呪いの解決への鍵となる。 トンネルに挑むヨハンがたどり着いた真実は、衝撃的なものだった……。

私が働くカフェには、毎日同じ時間にやってくる、黒いワンピースの女がいる。 いつもの席、いつものブレンドコーヒー。彼女は誰とも話さず、ただ、静かにそこに“いる”。 だけど、彼女が現れるたび、カフェの空気はどこかおかしくなる。音が消え、光が揺れ、人々の記憶から“何か”が抜け落ちていく。 最初に気づいたのは、私だけだった。 そして気づけば、私の髪は黒く伸び、名前が思い出せなくなっていた。 気のせいなんかじゃない。彼女は、確かにここにいる。そして―― 「次は、私の番なのかもしれない。」