子供の頃、街を襲った虐殺竜によって、幼馴染の少女を目の前で無残に殺され、心が壊れかけた少年ロアン・ジェルト。何もかも失ってしまい、それでも生き延びて成長してしまった彼に在るのは、虐殺竜への復讐心のみで── 　

幼くして両親を失った少女リオラは、親友の家で一緒に暮らさせてもらっていた。しかし、何も問題など無かったその生活に、とある「事件」が起きた後、歪みが生まれてしまった。そして彼女の町に、また＜配達竜＞がやってくる。その時、彼女は閃いて──

物好きな王の要望、氷竜の絵。自分の夢とも被っていた絵描きのトレッカーは、氷竜を見つけその絵を描くために、己の命の危険を覚悟して極寒の地へと踏み込む──

恵まれた人たち、幸せな人たちは、知らない。この世界が、どれだけ絶望で満ちているか。どれだけ不条理で、むごいか。知らない。知らなすぎるのだった。

"夜"の盟友、"夜翔竜"。彼の竜は、彼の「定常存在時空域」である「夜」に、条件を満たした人間の中から誰かを選択し、その願いを叶える。そして今夜も──