悪魔の少年は、空虚から生まれ、空虚に染まった。悪魔の女は、虚偽を欲し、虚偽を飲み尽くした。神の少女は、悪の乱暴を受け、悪を背負う。そして、最後に希望がやってくる。三者の視点よりつづった独白体の物語。

小学五年生の庄内ミツコは祖母が大好き。花火大会の日、祖母の宝物であるヒマワリの髪飾りを身につけていくつもりだった。しかし、ミツコが髪飾りを友達に見せたくて学校に持っていったせいで祖母は家の階段から落ちて病院に運ばれるという事態となる。さらに、親友が「おばあさんが死ぬ」という不吉な予言を残し、ミツコは自責の念に追い込まれる……。

誰に対しても一言目から「馬鹿」というのが口癖の棘子（とげこ）。口の悪い彼女が世の中を押しのけてたどった人生の略歴。

アルコールランプに満たされた私の家は、ぼんやりと青く光る・・・。

羊飼いの少年カップは、ある日、日頃からかわいがっている子羊マグが畜舎の中におらず、かわりに子羊の足だけが残されているのを発見した。少年はショックを受けていたが、なんと彼の目の前で、その足がひとりでに動き出したのだ…。

これは小説ではなく、詩と俳句です。おりおりに書きとめたものを集めました。

海に沈んだ町。住民は、一年にもわたって町の中に閉じ込められていた。町の水没を招いたのは、一匹のカタツムリであった……。

新山友子は仲のよい友人とともに楽しい学校生活が送れるはずだった。しかし、友人達との間にトラブルが生じ彼女らは大変な仲間割れをしてしまう。憂うつな気分にさ迷う友子の心は、星見の会が開かれる晩、不可思議な世界へ誘われる……。

飢えの中で苦しんでいた吸血鬼は、少女に血を乞う……。

ナルサは、もう一人の自分に魅入られてから正気を失った。彼女は、村人のはからいによりある精神治療院に行くことになった。