ある出来事から人が変わったようになってしまった叔父。彼を支えようとする主人公の少女は、ささくれ立った叔父の言葉に心を痛めて家を飛び出す。 　死人花(しびとばな)の池の水面に語りかけると、見たいものがみえてくる。 　その話を思い出してそこに行ってみると、少女の前に遠い日の出来事が浮かんできた。

　給仕用、護衛用、愛玩用、様々な目的で使用される機巧人形（ヒューマノイド）が世の中に普通に出回るようになった東京、2041年――。 　貧富の差は増し、色濃い影となって落ちる路地裏に、その少女は立っていた。 　真白の髪、藍色の瞳、白いロリータ服。 　機械の体に飲まれた人間を、機械を、ひたすらに壊してまわる少女と、彼が出会ったのも、薄汚い東京の路地裏だった。

　青く沈む病室の中で、青年と少女は会話する。この優しい時が、永遠に終わらないことを願いながら。 　現実から離れていくような青年の心を留めたい、その一心で少女は彼の母親のもとへと向かう――。 　蒼穹には今日も、海猫がないていた。

今までかいたもの短編集。 あらすじかくのめんどくさいのでまとめました。 ※お題をお借りしたものがありますが、サイトさまのリンクはお話の最後につけています。

路地にひっそりと佇む薬屋『黒猫丹亭(くろねこたんてい)』。そこで起こる、悲哀、憎悪、友愛、恋慕、殺意――あらゆる感情、あらゆる薬と毒の物語。

明月の国の姫君、明火姫は、ある時悍ましい地獄絵図に執心するようになる。人々は彼女を畏怖したが、明火の家臣である火雁だけは違っていた。

抱いては捨てた言葉たちを、拾い集めてくれる誰かを探して。

朔の日にやって来た客人は、小さな子狐。化かされまいと疑いながらわたしは日々を過ごす。そして訪れた満月の晩、子狐の嘘、わたしの後悔。

闇に潜む、古びた建物。そこにいるのは、あらゆる薬品と書物と、現世に失望した青年。