「汝、我が冥府の意志に耐えてみよ。さすれば大いなる力を手に入れられるだろう。だが、耐えられねばその命、無いものと思え」
底冷えするような冷徹な女性の声がまだ6歳の幼い少年の脳裏に響き渡る。
何も見えない暗闇の空間。
ただただ無限に時を感じられる虚無。
何もない、ただそんな空間に少年は一人存在していた。
少年の表情は見えない。
笑っているのか、泣いているのかさえ伺えない。
だが、一つだけ分かることがある。
この世の全てを嫌悪し、破壊、滅亡させ復讐の炎を身に纏っているかのような激しいオーラが暗闇を支配していた。
復讐の刃を身に宿し、世界に絶望を与える。
まだ幼い少年であるクルト・アルスターの復讐の物語。