夏の夜に送る三つの怪奇小話
~手形~
就職活動のため上京した私は、とあるアパートに部屋を借りることとなった。これから始まる新生活に胸を躍らせる私だったが……
~影~
高二の夏。親友二人と出かけた海のキャンプ旅行。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、夜が訪れる。
テントの中で怪談話に盛り上がる俺たちだったが、ふと俺は見てしまう。
波打ち際に佇む黒い影を。
~廃墟~
夢を見ていた。私は見たこともない街を歩いている。そして何かに導かれるように路地を抜け、とある廃墟へと足を踏み入れた。
そう、これは夢だ。しかし私は出会ってしまう。廃墟の中で、一人の少女に。
あぁ、笑わないで聞いてほしい。私は彼女に恋をした。
そして今宵もまた、私は少女に会うため、廃墟を訪れる。
夏のホラー2013 ホラー
読了時間:約22分(10,590文字)