聞けば何でも教えてくれる、自ら語り、自身を綴る書物「転生の書」と出会った少女の冒険譚。
舞台は、ある国セントネシア。
国の西に位置するサイランド地方には、かつて栄華を極めた貴族リーデア家が領地を構えていました。
しかし歴代の当主が蒐集品集めに没頭した結果、家はその財も輝きも失いつつあります。
そんな家に生まれた次女ナーガディシア・ピエロット・リーデア(ナーガ)はある日、屋敷の片隅で不思議な書物を見つけます。
それこそが「転生の書」でした。
その出会いはナーガの世界は一変させる出来事でした。
『私のことは「転生の書」とお呼びください。
あなたが生きるために、私はあなたのそばにいます』
けれど、ナーガには書とは別に生まれながらの秘密がありました。
その秘密は、家族ですら彼女を恐れ忌み嫌う原因となり、幼い友人との無邪気な戯れでさえ「未来の聖女を瀆した事件」として弾劾されるきっかけとなってしまう。
「けがらわしい、異常な獣」
そうしてナーガは、家族にさえ見放されて生家を追放されてしまうのでした。
それでも「転生の書」だけは彼女を見捨てません。
やがて書から授かった知恵や勇気、そして魔術の数々を頼りに、ナーガはめきめきと力をつけていきます。
彼女はクエストギルドに所属する立派な冒険者(クエスター)へと成長していくのでした。
周囲が舌を巻くほどの知恵と力を得たナーガの前には次々と困難が立ちはだかることでしょう。
しかし頼もしい仲間「転生の書」と共に、彼女は立ち向かっていきます。
舞台はセントネシアを巡るお話。
お手軽なチート無双ではなく、少し泥臭くがんばる物語を見たい方へ贈る冒険譚です。