「お兄様。貴方のような人はいらないのです。
ここから出ていって。」
「は?」
大国の聖女に妹が選ばれ、なんと王太子妃になると言われ、妹に最低限の教養とマナーの教育をしていたリーク。
妹が王宮に行ったとき、それは役に立ったが、だんだんと自分の権力に溺れ、高飛車で傲慢になっていく妹。
何度も注意しても、直るどころかさらに態度が悪化する。
繰り返されるうるさい忠告に耐えられなくなった妹は、両親に頼み、兄を絶縁することにした。
本当に聖女の力が宿っているのが、兄のリークであったなんて、知りもしなかった、知る由もなかったのである。