大気汚染が深刻化し、人々が酸性雨に怯える世界。
建物の外壁は強酸を防ぐ塗装がほどこされ、外出時には酸素ボンベと酸性雨防御カッパが欠かせない。
外生の植物はほぼ死滅し、街は荒廃の色を深めている。
少年セイは古い酸素ボンベを抱え、危険を承知で裏路地の工房を訪ねるが、そこでは修理部品や酸化に強い通貨が取引されていた。
街のあちこちには雨に侵された残骸が転がり、修理業者も不足しているため多くの家が崩壊の危機に瀕している。
政府が建造した巨大ドームは完全防護を謳うが、富裕層や特権層しか立ち入ることができない。
強酸の空気を吸い続けた人々の中には呼吸困難に陥る者も多く、医療機関は悲鳴を上げている。
廃色の空を突き破るように降り続ける酸性雨の下、誰もが深い絶望を抱えながらも、生き延びる術を模索するディストピアが描かれる。
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